ニュース&インタビュー
CAR DESIGN
2025.12.12
新型アクアのデザインを担当。遊びが発想の源泉
譚 振輝さん
トヨタ自動車東日本株式会社 デザイン部 カーデザイナー
カーデザイン学科/2021年卒業
デザイナーとは、人の心に寄り添い感動をデザインする仕事
私はカーデザイナーとして外形デザインを担当しています。直近で言うと、2025年9月に発売された新型アクアを手がけました。フロントにハンマーヘッドデザインを取り入れたマイナーチェンジですが、ユーザーからはほぼフルモデルチェンジほどの斬新さを感じると言われ、入社から4年の歳月を掛けての発売だったのもあり、感慨深いものがありましたね。
カーデザイナーの仕事は、ただカッコいい車をつくるということではなく、実はお客様の「体験」や「感動」をデザインすることだと思うのです。そのために私の場合は、趣味のキャンプや登山などのアウトドア、自然体験を通して「これいいな」だったり、違和感だったり、ひらめきだったりといったインスピレーションを得る。自ら、人がどう思うか、感じるかを疑似体験してみる、それがアイディアの源泉になっています。 遊びや趣味を積極的に楽しむようになったのは、HAL時代に言われた先生の言葉「とことん遊びなさい」がきっかけでした。遊んでみると、新たな発見に気づかされたり視野が広がったりと、仕事だけでなく人生にも役に立つモノと知りました。 この仕事の楽しさは、さまざまな可能性を駆使し自由な発想でモノづくりができること。HAL時代にアウトドア好きをターゲットに、助手席側をカスタマイズ可能な自由空間にするといったデザインの車を生み出したものもいい思い出です。これも私の趣味のアウトドア体験から発想を得た作品で「遊び」がアイディアのソースになりました。 以来、遊ぶことが私のデザイナーとしてのライフスタイルになったのは言うまでもありません。 ある先生から座右の銘として贈られた「己を知る」という言葉も大切にしています。 意味は「困った時や迷う時は、まずは目の前のことを正しく理解すること」。デザイナーとしていうなら、作品に対し迷いや不安があるならば、一度引いて見るということかと。すると何が足りないのか必要なのかがわかってくるんです。今でもこの言葉を胸の奥にしまって邁進しています。
譚 振輝さん
トヨタ自動車東日本株式会社 デザイン部 カーデザイナー
カーデザイン学科/2021年卒業
中国広東省生まれ。小学生のころ、好きな車と絵を描くことを活かせる「カーデザイナー」という仕事の存在を知り、将来の夢に。幼少期から暮らしの中でメイドインジャパンのプロダクトに触れてきたことから日本に親近感を抱き留学へ。HALでは圧倒的な成績を収めトヨタ自動車東日本(株)に入社。現在、トヨタ自動車(株)東京デザイン研究所へ出向し、カーデザイナーとして活躍中。 『Japan Mobility Show 2025』の運営にも携わる。
受賞歴
在学中、三菱自動車工業とHALカーデザイン学科による産学連携プロジェクト『2030年のEV提案プロジェクト』でGRAND-PRIXを受賞
トヨタ自動車東日本株式会社
東北復興を使命に2012年に設立。 ヤリスやカローラクロス、アクア、シエンタなどの小型車を中心に、ハイブリッド車や電動車の開発・生産にも力を入れ、環境性能と走りの楽しさを両立させたクルマづくりを進めている。