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プロデューサーへの登竜門と言えるのが「プロダクションマネージャー」の仕事。
今できることを丁寧にこなし、一歩ずつ先へ。

CG/ANIMATION

東映アニメーション株式会社
小倉裕太(デジタル映像部/プロダクションマネージャー)

“いつまでに”“どのシーンを”“何名で進めてもらうか”
プロデューサーとデザイナーの間に立つマネージメント役

東映アニメーションでプロダクションマネージャー(PM)という仕事に就いている小倉さん。プロデューサーからの指示のもと、CGやアニメーションを制作するデザイナーのマネージメントを担当している。「たとえば劇場作品の『アシュラ』(2012年9月公開予定)では、数十名のデザイナーを管理し、“いつまでに”“どのシーンを”“何名で進めてもらうか”といった調整や、制作に必要な資料の調達などを行います」。小倉さんが入社後、初めて担当した作品は2011年3月公開の『ONE PIECE 3D 麦わらチェイス』。映画館でエンドロールに自分の名前を見つけた時には、感無量だったという。「上映後、観ていた子供たちが“面白かった!”と話しあう声を聞いたとき、制作スタッフの一員となったやりがいと、誇りを感じることができました」。

HALのCMで観た『ARMORED CORE for Answer』入学後の出会いで
“つくる側”から“管理する側”に

HALに入学したのは、当時TVで流れていたCMがきっかけだったという。映像にはゲームソフト『ARMORED CORE for Answer』のオープニングムービーが使用されていた。「CGのロボットが疾走するカッコ良さに心を奪われ、すぐに願書をもらいに行きました。後で聞いたのですが、CM映像はHALの卒業生で、今は白組に所属されている岩木勇一郎さんがプロデュースした作品だったんです」。入学当初はCGデザイナーを目指していた小倉さんだが、先生から、自分の中にあったマネージネント能力を見出されたという。「“この道で頑張りたい”という強い思いで学んでいる中で、CG制作には様々な担当がいることを知り、PMという現在の仕事に出会えたんです。“つくる側”から“管理する側”になりましたが、デザイナーとの会話で専門用語が理解できたり、制作にどの位の時間が必要か目安がつくなど、学校で学んだ技術や知識が大いに役立っています」。

スポーツ、アルバイト…様々な経験も無駄ではなかった
1歩ずつ進み、いつの日か自分もプロデューサーに

実は高校卒業後、1度は大学へ進学。大学在学中に力を注いだアメリカンフットボールでは実業団への道も選択肢にあったほどの実力だったが、「大学時代は“この仕事に就きたい”と思えるものに出会えませんでした」。そのため、家業を継ぐつもりで建築系のアルバイトをするなど、HAL入学までには紆余曲折の道を歩んだという。「様々な経験をしたことは無駄ではなかったと思います。その上で、本当に自分に合っていると思えるPMの仕事に出会えたことを、嬉しく思っています」。まだまだ自分の仕事ぶりには、不満がたくさんあるという小倉さん。「上司からの期待に応え、プロが集まる現場で自分もプロの一員として仕事をしていくためにも、まずは今できることを丁寧にこなし、1歩ずつ先へ進みたいと思っています。PMはプロデューサーにステップアップするための登竜門と言われており、いつの日か自分もそのポジションに就くことが大きな夢です」。

東映アニメーション株式会社
http://www.toei-anim.co.jp/
1948年に日本動画株式会社として設立以来、日本におけるアニメーションのパイオニアとして、初のカラー長編アニメーション映画『白蛇伝』や『太陽の王子 ホルスの大冒険』『長靴をはいた猫』といった数々の名作を制作。以降『魔法使いサリー』『銀河鉄道999』『ドラゴンボール』『セーラームーン』『ONE PIECE』など劇場用やテレビシリーズで数々のヒットを生み続けている。また早期からコンピュータによるアニメ映像製作へ向けた研究に取り組み、作画工程のデジタル化やプロダクションとのネットワークシステムにおいても業界をリードしている。