大手映像制作会社からハリウッド、そして起業。
HALでの幅広い学びが原点
- 一瀬 隼
- Barehand Modeling Studio inc.
- CEO
- CG映像学科/2011年卒業
HALで本当に夢中になれることを見つけた
「漠然と、プログラマーになろうと思って入学したのですが、こんなに授業があるの!?というくらい内容が広範囲にわたっていて、1、2年生の間に自分の本当にやりたいことを選ぶことができたのが自分にはよかったです。」と話す一瀬さん。
入学当初はゲームプログラマーを目指していたが、HALで幅広い分野を学ぶ中で目標が変わり、CGの道に進むことを決意。3年次にCG制作ソフト「Maya」の魅力にはまってからは、1日12時間は触っていたそう。HALの授業の中で、モデリングからセットアップ、アニメーションまで、CG・映像制作全体のワークフローがつかめたのが、実際にプロとして活躍する上でも役立ったそうだ。
大手映像制作会社からハリウッド、そして起業
在学中に制作したアニメーション作品がきっかけで、卒業後は映画・ゲーム・アニメ・テレビドラマなどで人気作を手がける大手映像制作会社に就職。充実した日々を送っていたが、2年ほどで退社。
「大好きな会社、好きな仕事、先輩や仲間にも恵まれ評価もしていただいたのですが、逆にそれが、将来が見えた気がして、怖くなったのです」
退社後はフリーランスとなり、さらなる可能性を追求した。その後、単身でカナダへ渡り、VFX制作会社・Hydraulx社でのプロジェクトに参加。映画『カリフォルニア・ダウン』(2015)、『X-MEN: アポカリプス』(2016)、『ジオストーム』(2017)など名だたるハリウッド映画のプロジェクトに携わった。帰国後はフリーランスとしてNHK大河ドラマや映画などのCG制作に参加し、2017年に「Barehand Modeling Studio inc.」を設立。同社は背景モデリングをメインとした3DCG制作会社だ。
「その日暮らしのような感覚があったフリーランスから、会社を設立したことで、目標が明確に変わりました。僕は自分で作品をつくるのも好きだけど、経営やプロデューサーといった俯瞰してものを見る立場が合っている。それはHALで多くの授業や選択肢に恵まれ気づけた視点なのだと思います。」
子どもたちの進路のひとつにCG、という選択肢があってもいいと思う
HALで見つけたCGを楽しむ気持ちを胸に、様々な目標を達成してきた一瀬さんの今後の目標とは。
「今の僕は自分よりもスタッフがいいものをつくってくれた方がうれしい。それを教育にも活かしたいです。小学生だとか子どもたちにCGを教えていきたいなと思っています。お金にはならないでしょうけど、それでCGに興味を持った子たちがいつか素晴らしい作品を生み出すようになったら素敵じゃないですか。」
専門学校や大学を選ぶ前の子どもたちにCGの魅力を伝えたい、そこから将来を担う新しい世代を育てることでCG業界を盛り上げていきたいという新たな目標を見つけた一瀬さん。すでに後進の教育にも力を入れ始めている。
海外のCG制作現場から、起業、そしてCG業界の未来まで。ますます視野を広げて活躍を続ける一瀬さんの今後に注目したい。
- 一瀬 隼(かずせ じゅん)
- CG映像学科/2011年卒業
- Barehand Modeling Studio inc.
- CEO
- HAL卒業後、大手映像制作会社に入社、背景モデラーとしてのキャリアを始める。その後フリーランスとなり映画・CMなどの様々なジャンルのCGを手がける。2014年にカナダに渡り、Hydraulx VFXにて映画『カリフォルニア・ダウン』(2015)、『X-MEN: アポカリプス』(2016)、『ジオストーム』(2017)などのプロジェクトに参加。帰国後はフリーランスとしてNHK大河ドラマや映画などのCG制作に参加し、2017年にBarehand Modeling Studio inc.を設立。現在は国内の様々なプロジェクトの背景CG制作に携わる。