BIG HAL大賞
『TIME』誌が選ぶ“最も偉大なゲーム”に作品が選出!
ゲームクリエイターの天谷 大輔氏に「BIG HAL大賞」を授与。
天谷 大輔
3月に開催されたHAL大阪の卒業式で、2000年卒業生の天谷大輔氏に、2012年度「BIG HAL大賞」(副賞50万円)が授与された。
「BIG HAL大賞」は、創立以来の卒業生で構成される「HAL会」が、全卒業生の中から、その年度に最も活躍した卒業生に対して授与する賞だ。
天谷氏は2012年に、アメリカのニュース雑誌『TIME』が発表した「70年代以降に発表された最も偉大なゲームソフト100本」で、自らが制作した『洞窟物語(英語名:Cave Story)』が選ばれるという快挙を達成。 同ゲームは、日本はもとより北米など世界中のゲーム好きの間で非常に高い人気を誇っており、Wiiウェアやニンテンドー3DSにも移植されるなど、様々な広がりを見せている。
-受賞おめでとうございます。受賞の感想を聞かせてください。
在学中は好きな事ばかりやっていて、実績らしいものは何も残せなかったけれど、こういう形で学校に認められたことは願ってもいなかったことで、とても嬉しいです。
-様々な学校の中で、HALを選んだ理由を教えてください。
僕はゲームをつくりたくてこの学校を選びました。
その頃はインターネットも普及していなかったのですが、HALの広告はとび抜けて目立っていました。 ゲーム学科があることもわかったので、学校見学に行き、大きな建物や見たことない施設・設備を見て、ただただ「凄い」と思いました。
もちろん親がこの学校に通うことを許してくれたことも大きな理由です。
-「HALに通ってよかった!」と思ったことなどはありますか?
HALにはコンピュータやゲームの話ができる人がたくさんいて、とても刺激になりました。
一日中ゲームをつくることを考えていられたのは、生きてきた中ですごく幸せな時間だったと思います。 趣味でゲームをつくっていた自分が、卒業後11年間も、プログラマーとして務めることができたのは、在学中に得たプログラム技術があってこそ。
またチームでのゲーム制作を学び、誰かと協力して何かをつくることの難しさは、今でも自分の中で大きな課題になっています。
-そんな風にプロとしてご活躍される中、仕事やものづくりをする上でのこだわりはありますか?
ただのプログラマーとして働いていたサラリーマン時代は、気を利かせて要望以上の事をやったことが裏目に出て上司に怒られたことが何度かありました。10年の間に要望通りの最低限の事しかしなくなっていたような気がします。
2年前に、HALの同級生や先輩方の助けもあり、ゲームクリエイターとして独立してからは、自分の好きなようにつくれるようになったので、できるだけ気の利いたものをつくろうと心がけています。
-天谷さんにとってゲームを制作するおもしろさはどのようなところにあるのでしょうか?
僕がゲームをつくる理由はもちろん「ゲームが好きだから」ですが、もう一つの理由は「自分のつくった者を他の人に見てもらいたいから」です。プレイヤーがゲームの中で楽しんだり、驚いたり、感動したりするのを自分の絵や音楽で組み立てていくのだから、ゲームほど魅力的な表現媒体は無いと思っています。
-最後に在学生に向けてメッセージをお願いします。
会社を辞めてすぐに、自宅を事務所として独立し、ゲーム制作を始めたのですが、自宅での仕事の進みはあまり良くありませんでした。その後、環境を変え、自宅外で仕事をするようになってからは驚くほど仕事が捗るようになったんです。ここから学んだことは、環境はすごく重要だということです。
在学生の皆さんは、もうそれが当たり前になっているかもしれませんが、今、あなたたちをとりまく友達や先生、学校が用意した教室や機材などといった施設の全ては、少なからずあなたの目指す方向を向いています。こんな環境で勉強ができることは、生きている間に何度も無いかもしれません。
どうか今ある環境をできるだけたくさん利用して、卒業までに大きく成長してください。
-天谷さんありがとうございました。今後のご活躍をお祈りしています!