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音で命を吹き込むサウンドクリエイター
BGMを創るだけにとどまらない仕事内容に迫る

MUSIC

青木 大地
株式会社インテリジェントシステムズ/サウンドクリエイター
ミュージック学科/2014年卒業

声優のボイスの編集や効果音のタイミング。
一作品中で携われる仕事はたくさんあります。

株式会社インテリジェントシステムズで働く青木大地さんの職種はサウンドクリエイター。ゲーム内のBGMはもちろん、SE(効果音)や声優が収録したボイスなど、“音”に関する分野なら何でも担当するスペシャリストだ。ビッグタイトルにも関わってきたが、特に思い出深いのはニンテンドー3DSで発売された人気シリーズの最新作。青木さんにとっては、入社以来2作目となる作品だ。



発売元:任天堂
写真(上)『ファイアーエムブレムif 白夜王国』©2015 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
写真(下)『ファイアーエムブレムif 暗夜王国』©2015 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

担当したのはイベント時のBGM選定、ボイスのノイズチェックと調整、アニメーション効果音のタイミングなど幅広い。「キャラクターが会話するイベントはユーザがグッと感情移入する大事な場面。そこでノイズが入るのは絶対にNGですから、波形を確認しながらひとつ一つ細かく取り除いていきます。BGMも場面にあったものを選ぶのはもちろんですが、たとえばコミカルな雰囲気の曲もいくつかあるので、その中で本当に合う曲はどれなのかを慎重に選ぶ必要があります。また、効果音のタイミングひとつでユーザが受ける“手応え”も変わるので、より良い作品を目指す上で責任は重大だと感じています」。

大のゲーム好きだった青木さんは、高校生の頃から「ゲームを創る仕事」に就きたいと考えていた。プログラマーやデザイナーなど様々な職種がある中で、青木さんは幼い頃から続けていたピアノの技術を活かし、ゲーム音楽の道を目指すことを決意。音大という選択肢もあったが、最終的に選んだのはHALへの進学だった。「進路について考えたとき、僕がなりたいのはミュージシャンじゃない。クリエイターだという思いが強かったのだと思います」。

学生生活はあっという間だったと青木さんは当時を振り返る。「HALではすごくいい経験をさせてもらいました。他の学科の友人と一緒に作品を制作する機会もあり、他の分野の人たちと密にコミュニケーションをとった経験が今に活きています。僕は友人やライバルがいる方が刺激になるタイプなので、良い成長期間になったと思いますね」。 今は自身が携わったゲームで遊んでもらえることが何よりの楽しみ。今後も青木さんは“音”でゲームに命を吹き込んでいく。

青木 大地
ミュージック学科/2014年卒業
HAL大阪卒業後、サウンドクリエイターとして株式会社インテリジェントシステムズに入社。現在はBGMやSEの制作、キャラクターボイスの収録、またチェックまで、作品中のあらゆる“音”に関する仕事を担っている。
株式会社インテリジェントシステムズ
https://www.intsys.co.jp/
1986年12月設立。ゲーム業界をリードする技術力で、約30年にわたり、開発支援ツールの開発・提供などを通じて任天堂株式会社を技術面でサポート。また、任天堂ブランドのゲームソフトの開発にも数多く携わり、多くのヒット作を世に送り出してきた。現在の社員数は140名以上。

※卒業生会報誌「HALLO」69号(2015年11月発刊)掲載記事