憧れのハリウッド映画に携わり
空想の世界をリアルな映像に
中村 貴英
Lola Visual Effects(ロサンゼルス)
コンポジター
CG映像学科(現・CG・デザイン・アニメ4年制学科 CG映像コース)/2014年3月卒業
学生時代から自分で徹底的に考えて映像をつくってきた
ロサンゼルスのLola VFXで、コンポジターとして働いています。コンポジターとは、CGや撮影データなどの素材を合成して、色調や解像度などを調整し、最終的な仕上げをする仕事です。DCコミックオリジナルでワーナーブラザーズ配給の「ブラックアダム」やDisney+で配信中の「オビ=ワン・ケノービ」など、アクション・SF・ファンタジーを中心にジャンルを問わず、これまで40作品以上に携わりました。
映像の仕事を目指すようになったそもそものきっかけは、子どもの頃にディズニー映画のファンタジーな世界に夢中になったことです。「ハリー・ポッター」や「トランスフォーマー」など色々な映画を観るうちに、VFXの存在を知り、空想の世界をリアルに表現する映像を自分でもつくりたいと思うように。映像制作はもちろん、数学が得意だったのでプログラミングも勉強したいと考え、両方学べるHALに入学を決めました。
在学中は、授業の課題通りにつくるだけではなく、プラスアルファの工夫をするようにしていましたね。あとは、映像制作中にリファレンスになる資料を集めたり、色々な映像を観て自分だったらどうつくるのか考えたりしていました。映像制作の仕事に明確な答えはありません。自分で徹底的に考えて映像をつくった経験は、今の仕事でもとても役立っています。また、リファレンスをたくさん集めることで、引き出しが増えました。
誰も想像もできないような映像を観客に届けたい
卒業後は、日本のポストプロダクションで3年ほど働きました。もともとハリウッド映画に携わりたいと考えていたので、HALの校費留学制度を利用し、サンフランシスコにあるAcademy of Art Universityに留学。ジェネラリスト志向で映像制作全般に携わりたいという思いは今でもありますが、まずは得意分野を伸ばそうと思いコンポジットを勉強しました。第一線のクリエイターである先生方から、最先端の技術を学べたのはすごく大きな経験になりましたね。日本で映像制作の基礎が身についていたので、言葉の壁はあるものの、スムーズにスキルを磨けたのだと思います。
アメリカでの就職活動では、とにかく積極的に行動しました。メールでポートフォリオを送っても反応がないので、アニメーション関係のイベントに行き、リクルーターの方などに「仕事を探しています」「こういうことができます」と作品を見せながら、どんどん話しかけるようにしたんです。後悔しないように動いたおかげで、無事に仕事を見つけられ現在に至ります。
僕の強みは、学生時代からリファレンスを多く収集する習慣をつけていたので、映像の不自然な部分にすぐ気づき修正できる点です。また、CG制作をしていた経験を活かし、他のコンポジターと比べて、幅広い解決策を提示できます。今後の目標は、みんなが想像もできないような映像をたくさんの人に届けることです。新しい技術がどんどん出てきているので、しっかり学び、クライアントや観客の期待を超えたものをつくりたいですね。
Lola Visual Effects(ロサンゼルス)
コンポジター
CG映像学科(現・CG・デザイン・アニメ4年制学科 CG映像コース)/2014年3月卒業
子どもの頃からディズニーなどのファンタジー映画が好きで、VFX(特殊視覚効果技術)に興味を持ち、映像制作を学ぶためにHALに入学。卒業後、日本のポストプロダクションに就職。
HALの校費留学制度を活用し、サンフランシスコにあるAcademy of Art Universityにて学ぶ。現在はロサンゼルスにあるLola VFXにてコンポジターとして従事。MARVEL STUDIO制作の「ロキ」「ワンダヴィジョン」、DC コミックオリジナルでワーナーブラザーズ配給の「ブラックアダム」やNetflixにて配信中の「ストレンジャーシングス」、Disney+で配信中の「オビ=ワン・ケノービ」などを担当。これまで40作品以上のVFXに携わった。
ブラックアダム 原題:Black Adam/2022年
「ワイルド・スピード」「ジュマンジ」シリーズなど数々の大ヒット作で人気のドウェイン・ジョンソンが、DCコミックスが生み出したアンチヒーロー、「ブラックアダム」に扮したアクションエンタテインメント映画。
ストレンジャーシングスシーズン4 原題:Stranger Things Season 4/2022年
80年代のSF・ホラー映両へのオマージュ満載で描かれるNetflix配信のドラマシリーズ。3度のドラマ部門作品賞ノミネートなど、数十のエミー賞候補歴を持つ。
オビ=ワン・ケノービ 原題:Obi-Wan Kenobi/2022年
Disney+で配信の「スターウォーズ」実写ドラマ。ユアン・マクレガー演じる「オビ=ワン・ケノーピ」の、「エピソード3/シスの復讐」での劇的な出来事から10年後の物語を描く。
魔法にかけられて2 原題:Disenchanted/2022年
ロキ 原題:Loki/2021年
ボバ・フェット 原題:TheBook of Boba Fett/2021年
ワンダヴィジョン 原題:WandaVision/2021年
ウエスト・サイド・ストーリー 原題:WestSideStory/2021年
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 原題:No Time to Die/2021年
など、40作品以上のハリウッド映画やドラマのプロジェクトに参加。フェイスリプレイスメント、ディエイジング、コスメティックワーク、背景やCGの合成、バレ消しなどのデジタルコンポジット作業を行った。
Lola Visual Effectsは、伝統的なVFXワークに加え、フェイスリプレイスメント、ディエイジング/エイジング、コスメティックワーク等、人物への特殊効果でハリウッドを代表するスタジオのひとつです。Disney、Paramount、Universal、Netflix、Apple、Marvel、そしてStar Warsなど多くの有名スタジオやフランチャイズの作品を多数手がけており、現在はロサンゼルス本社の他に、ニューオリンズ、イギリスのロンドンにもオフィスを構えています。社内に大きなシアタールームがあり、映画館のような4Kの大型スクリーンでレビューすることで、常に最高品質、“Lolaクオリティ”の映像をクライアントに提供しています。