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幅広いスキルを駆使し、ゲームメーカーの開発課題を解決する

GAME

中村 一樹
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
ゲームエンターテイメントソリューショングループ テクニカルイノベーション部
ソリューションアーキテクト
ゲーム制作学科(現:ゲーム4年制学科 ゲーム制作コース)/2008年卒業

ゲーム制作におけるシステムやネットワーク上の課題を解決

アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)のゲーム業界を担当する部署で「ソリューションアーキテクト」として働いています。ソリューションアーキテクトは、様々な企業の業務やシステムの課題をお客さまと共に解決する仕事です。昔のゲームは、パッケージソフトとして制作されていましたが、現在ではオンライン機能があるものが主流になり、ネットワーク上の問題でもサポートを求められるようになってきています。わかりやすい例で言えば、サーバに急に多くのユーザがアクセスしてきた場合どのように対応すればいいかなど、テクニカルな部分でAWSのサービスを使って問題を解決していきます。
会社や役割により抱えている課題は多種多様です。現在の自分の知識で通用するものもあれば、通用しないものもあります。その場合は、課題に適した新しい知識を調査し、自分のものにしてお客さまと一緒に課題を解決していきます。お客さまへの貢献が評価されて、「スタッフロールに名前が載る」といったような目立った実績が残ることもあります。様々なお客さまと協力して課題を解決することはとても面白くやりがいのある仕事です。

自分自身の成長にもつながる幅広い経験ができる

ソリューションアーキテクトは、知識や経験の幅の広さが武器になります。AWSに転職する前は、新卒から長く在籍した株式会社カプコンをはじめ、複数のゲーム企業で14年間キャリアを積み、様々な話題作にも携わってきました。AWSのソリューションアーキテクトになった背景には、私が前職でクライアント(ユーザの目に見える部分)、サーバ、データと3つの分野のエンジニアを経験してきたことがあります。実はこれらの職種を1人で手掛けるのはとても珍しいことです。エンジニアの人達は、クライアント専門の方はクライアント、サーバ専門の方はサーバといったように、縦にスキルアップするのを得意としている方が多いと思います。しかし、私の場合、横に伸びていっている感じです。そのため、自分のスキルや価値を最大限発揮するには、すべてに関われるような職種がより適していると考えました。
AWSはゲームづくりのパートナーになることを目指しており、お客さまであるゲーム会社が抱えている課題は千差万別です。それゆえに、自身も勉強になりますし、スキルを横に広げることで業界全体に貢献できるのが面白いところです。スキルの幅が広いからこそ出せる引き出しがある。課題に向き合う中で、クライアント、サーバ、データ活用、それぞれの中から最適な提案ができるのです。

真剣だからこそ選んだプログラマーという道

物心ついた頃からゲームクリエイターになることが夢でした。高校生になってもその夢は変わらず、高校卒業後に大学か専門学校かどちらがゲームクリエイターになれる可能性が高いか迷っていました。学校の先生に相談したり、自分でもゲーム会社への就職率などを調べた結果、専門学校、特にHALがゲームクリエイターになるには可能性が一番高いと判断し、入学を決意しました。将来の進路がゲームクリエイター以外に選択肢が少なくなる可能性はありましたが、迷いはありませんでした。
入学前はゲームを企画する職種に憧れがありましたが、良いアイディアが浮かぶかどうか、そのアイディアが良くても人によって受け取り方が異なる中で正しく受け取ってもらえるか、という不確実な中で勝負しなければなりません。ゲーム開発の仕事に就きたい想いはとても強かったので、そうした中でより確実に携われるようになるためには、プログラムという分野が自分には適性があり、評価されやすいと思ったのです。
HALではただゲームのつくり方を学ぶだけでなく、ゲームエンジンやライブラリといったツールに頼らずにプログラムを作成するなど、ゲームづくりに利用されている基本的な技術を学ぶ授業があり、かなりの時間を費やしました。基礎ができていないと応用もできません。基礎、技術のベースを知ることの重要さをこの授業で学びました。ゲーム開発に携わっていた際、技術的にも考え方的にも多くの場面で役立ちましたし、今の仕事になっても変わりません。特に深く知らなくて良い技術と深く知っておかないといけない技術の見極めやお客さまの課題の深掘りなどに役に立っています。

仲間と切磋琢磨した日々があるから今がある

HALではチームで作品を制作して、在校生や一般の方に披露するイベントが多数ありました。1〜3年生では学校内で開催され、チームごとに評価がつき競い合うものになっていました。成果物を出して自己満足で終わることなく、実際に成果物を先輩や後輩にプレイしてもらうことで様々なフィードバックをもらえることはとてもよかったです。4年生の卒業制作では、大阪城ホールを貸し切って展示物として成果物を一般のお客さまにプレイしてもらうことができました。ただ技術を身につける、成果物を出す、テストで良い点を取る、といったことだけでなく、お客さまにいかに満足いただけるものをつくるか、といったお客さま中心の考え方を身につけることができる機会が学生時代から多く経験できたことはとても良かったです。
そしてHALで得た何よりの財産は、同じ志を持った仲間に出会えたことです。今でもその仲間たちと食事に行ったり遊んだりしています。HALは基礎の基礎、それこそパソコンの電源を入れるようなところからプロに必要な心構えを学ぶところまで導いてくれます。初心者からであっても、強い気持ちを持って仲間と切磋琢磨していけば、夢はきっとかなえられると思います。

PROFILE
中村 一樹
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
ゲームエンターテイメントソリューショングループ テクニカルイノベーション部
ソリューションアーキテクト
ゲーム制作学科(現:ゲーム4年制学科 ゲーム制作コース)/2008年卒業


2008年にHALを卒業し、株式会社カプコンにプログラマーとして入社。様々なゲームタイトルで開発に携わり、次第にエンジニアとしてサーバやAIによるデータ活用などゲームにまつわる幅広い業務に携わるようになる。2023年よりアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社でソリューションアーキテクトとして活躍。豊富なゲーム開発経験やAWSの知識をもとに、ゲーム会社の課題解決に従事。同社のカンファレンス「AWS Dev Day 2023 Tokyo」に登壇するなど、講演や執筆活動にも精力的に取り組んでいる。