最先端テクノロジーを駆使して
ドローンで加速させる「空の産業革命」
神谷 義孝
ソフトバンク株式会社
テクノロジーユニット
サービス企画技術本部
コアソリューション企画開発統括部
ロボティクスソリューション部
ロボティクスソリューション1課
担当課長
2000年卒業
ドローンのサービスをゼロから設計
現在主に携わっているのは、ソフトバンクのドローンサービス「SoraSolution」です。サービスの特徴は、鉄塔の点検などの危険を伴う高所作業をドローンによって自動化できること。航行も画像撮影もすべて自動なので、操縦者の技術に左右されることなく精度の高い点検が可能になります。さらに、危険な場所に人が立ち入らずに済み、事故リスクの低減につながるのも大きなメリットです。さまざまな要望に合わせてゼロからサービスを設計し、安定したドローンの飛行を実現しています。
昔から新しいガジェットが大好きで、最先端の機器や技術に漠然とした憧れがありました。HALに入学したのも、当時はまだあまり普及していなかったパソコンについて学び、将来の仕事に活かしたいと考えたからです。卒業後は、地元の名古屋で通信会社に就職。「3年間頑張ったらきっと良いことがあるから一緒に働こう」と言われて入社を決めたのですが、実はゆくゆくは地元で起業しようと考えていたんです。でも、その3年が経つ頃、M&Aによって現ソフトバンクに移籍し、東京で働くようになり……気付けばいつの間にか、最先端のドローンテクノロジーに関わるようになっていました。今も、新しいドローンを飛ばすときはとても楽しいですね。
社会の課題を解決するソリューションを
自動航行ドローンによるソリューションを提供するには、どんなケースでもまず手動で飛ばしてみる必要があります。一口に「ドローンによる点検」と言っても、対象となる建造物や飛行条件はさまざま。中でも難しいのは、石油プラントや製鉄所の内部です。また、橋梁や砂防堰堤なども、構造が入り組んでいたり高低差が激しかったりして目視できない箇所が多くあります。そのような場所では、画面だけで状況を判断して操縦するしかありません。時間をかけた入念な準備が求められますが、その分、成功したときの喜びはひとしおです。現在注力しているのは風力発電のドローン点検。風力発電設備は規模も大きく、風の強い場所に設置されているため、そのような環境下でも安定した自動航行ができるドローンの開発を進めています。
最近では、自治体や企業で講演をさせていただく機会も増えました。講演ではAIやロボティクスを活用した未来のビジョンをテーマに、10年後、20年後にそれが現実になることを願いながら話をしています。「空の産業革命」といわれるように、今後、より多くの分野でドローンが活躍するようになるでしょう。2025年の大阪・関西万博に向けて、有人ドローンをはじめとしたさまざまな空のモビリティも登場してくるはずです。これまで培った知見と、AIやIoT、5Gなどのテクノロジーを駆使して、幅広い産業の課題解決をドローンでサポートしていきたいです。
ソフトバンク株式会社
テクノロジーユニット
サービス企画技術本部
コアソリューション企画開発統括部
ロボティクスソリューション部
ロボティクスソリューション1課
担当課長
2000年卒業
子どもの頃から新しいもの好き。家庭用ゲーム機の新機種が発売されるたびにいち早く手に入れたり、当時まだ珍しかったワープロで年賀状を作ったりしていた。
HAL卒業後は名古屋の通信会社に就職。その後、M&A(企業合併)によって現ソフトバンクに移籍し、IoT機器の開発、法人向けIoTサービスなどに従事。
現在は、自動飛行ドローンで設備点検などを行う「SoraSolution」のサービス設計に携わる。自治体や企業など外部での講演活動も多数。
協力会社とドローンを共同開発
高所や橋梁などの点検や測量、災害支援に活用できる産業用ドローン。「SoraSolution」のラインナップの1つとして神谷さんが開発に携わった。
多数の講演活動
神谷さんは外部での講演活動にも積極的に取り組んでいる。
自治体や企業、業界団体などが主催する講演会やシンポジウムに、講師として数多く登壇。最先端テクノロジーを活用したロボティクスソリューションや、将来に向けたIoT戦略、ソフトバンクの思い描く未来のドローン社会などをテーマに講演を行っている。
ソフトバンクとして最大規模の法人向けイベント「SoftBank World」でも登壇者の一人として講演を行い、ソフトバンクが創造する次世代のIoTについて語った。
2021年度より、HAL・IT部のスペシャルゼミ講師にも就任。
携帯電話などの移動通信サービスや、固定通信サービス、インターネット接続サービスを展開する、日本を代表する通信会社。AI・IoT・ロボットなどの最先端テクノロジーを活用し、人々のライフスタイルをより良くする製品やサービスを提供している。
国内外のグループ各社とも連携しながら幅広い領域へ機動的に事業を展開。従来の通信会社のビジネスモデルを超えて、さまざまな産業分野において革新的なサービスを生み出している。