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FIX
最終話 次なる戦場へ。
  • TEAM TOKYO
  • TEAM OSAKA
  • TEAM NAGOYA
TEAM TOKYO篇
限界へのカウントダウン

苦戦していたアニメーションも、担当の志摩駿宙らの頑張りもあり、最終チェックで岩本監督の合格が出た東京チーム。
残す作業は各所のディテールの精度を上げていくのみとなった。
納品まであと数日とせまり、連日プロジェクトルームにこもっての作業で疲れもピークに達している。
かといって、ここで手を抜いて、今までの時間と作業を無駄にするわけにはいかない。
慎重に、手早く、納得のいく精度まで高めるという、最後の根気と集中力が試されていた。

最後だからこそ、自分たちのすべてを注ぎ込みたいカットがあった。
主人公機が地面をスライドした後に、顔を上げるカットだ。
最後まであきらめずに戦う意思を表現したこのカットは、自分たちの心を映しているようで、メンバー全員がこだわり抜いて制作していた。
特に情熱を持って指揮していたのは、東京チームのリーダー荘埜祐介だ。

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本当にCMは完成するのか、自分はリーダーとしての役割を果たせているのか、彼の悩みはつきなかった。
だが今は違う。
メンバーと話し合い、役割分担をはっきりさせて指揮をとる、そして誰よりも手を動かしてチームの士気を高める。
リーダーとして、1人のクリエイターとして彼は最後までもがき続けることで、東京チームをけん引していた。

納品までの期日がせまってくるが、1分1秒でも多く作業を行いたい。
あと少しここを高めたい、もう少しこだわりたい。
あと少し、もう少し・・・、そしていよいよ、岩本監督へ全データを渡す日となった。


人生で最も感情の詰まった15秒

岩本監督が編集室に入り、学生たちの仕上げてきた映像にキャッチコピーや学校のロゴなどCMとして訴えたい文言を表記し、ナレーションやBGMといったマルチ・オーディオ(音入れ)作業を行う。

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0.1秒のタイミングにまでこだわって、岩本監督自らが直接手がける最終作業。
そしてついに、TVCMが完成した。

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「カッコ良すぎる!」「本物のTVCMだ!」「ナレーションで力強くなった!」

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嬉しかった、めちゃくちゃ嬉しかった。
自分たちの手でつくり上げたムービーが、本当にTVCMとして完成している。
納期に間に合うかあんなに不安になっていたけど、こんなに素晴らしいものが出来上がったんだ。
手を取り合って、全員で喜んでいた。

岩本監督の大きな声が拍手と同時に響いた。
「カッコいい!!」
その一言が一番嬉しく、すべての苦労が報われた気がした。

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東京チームは最初こそ順調だったが、その後は厳しい道のりだった。
自分たちのふがいなさを悔やみ、反省し、涙する時もあった。
だが、ひとり1人が意識を変え、最終的にはプロにも引けをとらないクオリティにまで高めることができた。
「東京のクールさと近未来感がディテールに表れていて、ロボットの動きと背景がマッチしているよね」
監督に完成したムービーを解説されている間、徐々に自分たちの作品が全国に流れるんだという実感が湧いてくる。
あれだけの時間と苦悩をかけてつくった15秒のムービーが、とても尊い15秒に感じられた。

「皆よく頑張った。長尺ムービーは君たちに任せたから、より素晴らしい作品を目指してください」
TVCMは完成したが、PROJECT HAL特設WEBサイトにUPする長尺ムービーをこれから学生たちだけでつくるのだ。
任せてください、と言わんばかりに学生たちの長尺ムービーへの制作意欲は熱を帯びていた。

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彼らはこれからクリエイターとして社会へ出ていく、そこから本当のスタートが始まる。
辛いこともきっとあるだろう。
だが、PROJECT HALを経験した今、どんな辛いことでも乗り越えられるはずだと誰もが感じていた。
もう大丈夫、僕たちは自分たちで道を切り開く強さが身についているはずだ。
岩本監督と握手をする彼らの目は、どこまでも力強いものだった。


その時、他の2校は・・・
TEAM NAGOYA篇
チームの力を強めた、苦しみの日々

サウンドチームが新たな音をつくり、映像チームのもとにやってきた。
「すごい、映像と音に一体感が生まれている」
前回、クオリティが格段にアップしていた映像に対して「これではいけない」と、サウンドチームはすべての音を修正してきたのだ。
映像を後押ししながら、主張させるシーンでは音を立たせて、お互いが高め合うように見直されたムービー。
最終日ギリギリまで映像も音も詰めの作業を行い、名古屋チームのムービーは岩本監督へと託された。

「しっかりと映像と音がシンクロしている良い作品になったね!」
岩本監督が編集を終えたTVCMの感想を語ったとき、名古屋チームは喜びの声と拍手であふれた。

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プロジェクト当初は東京・大阪チームと比べ遅れをとっていた名古屋チーム。
懸命に話し合うことで荒々しさというオリジナリティを見つけ出し、クオリティを加速させていった。
悩みに悩んで、ぶつかり合いながら高めていったプロジェクト。
映像チームとサウンドチームも密にコミュニケーションをとり、チーム全体が一丸となって進化していった。

「荒々しさと哀愁という名古屋チームらしさを最大限活かせる、長尺ムービーを完成させてください」
岩本監督の最後の言葉がひとり1人の胸に刺さる。

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チームとしてのオリジナリティを誇ろう、そしてこれからも自分だけの強さを持ったクリエイターになっていこうとメンバーひとり1人が決意を新たにしていた。

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TEAM OSAKA篇
こだわり、を最大の武器に

すべての制作作業を完了し、すでに岩本監督へ全データを渡し終えた大阪チーム。
自分たちの作品が一番最初に全国に流れることに期待もあったが、不安もはらんでいた。
なぜならTVCMを見る人たちが、HALに興味を持ってくれるかは僕らの作品にかかっているからだ。
HALの実力が見定められるといっても過言ではない。

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岩本監督が完成したTVCMを見て、メンバーに語りかける。
「15秒間のCMとしてテンポの良さが際立つ、とても良い作品になりました!」

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HAL大阪に歓声が上がる。
プロジェクトは初めから順調だったが、その内情はいつもメンバー同士が主張し合い、時には教官とも言い合いになる程、メンバーひとり1人のこだわりが強かった。
でも、だからこそ良い作品ができたんだと、皆が実感していた。

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「この実績を活かして長尺ムービーも、そして社会人になっても、しっかりと自分の意見を主張してください」
ここからまた戦いが始まるけど僕たちなら出来る、自然とそう思えた。

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TVCMは良い作品が出来上がったが、長尺ムービーについても手を抜くつもりはない。
まだまだHALの実力はこんなものじゃないということを、これからのクリエイター人生を通して発信していこう。
高まる決意で、メンバーの胸はどんどん熱くなっていった。


Pro's Voice
柳瀬敬之 自分たちが持つ個性を大切にすること。東京チームは技術力の高さと近未来の表現力。大阪チームは主張する勇気とロボット構造の描写力。名古屋チームは設定・演出の強さとアクションセンス。プロは苦手を無くすことはもちろん、強みを活かすことで、唯一無二の作品をつくり上げます。本当の戦いはこれからです!この120日間を誇りに、自分の道を突き進んでください!
岩本晶 「好き」の差が、作品に表れるのだと思います。東京チームはスタイリッシュなフォルム、大阪チームはロボットデザインへの理解度の高さ、名古屋チームは武骨さというオリジナリティ、がそれぞれ輝いていたと思います。今回、TVCM15秒でも印象に残るカッコ良さが、3校とも表現されていたと思います。徹底的に「好き」を追求してください!

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