アニメーターを目指す際に、何から始めるべきか、どのような進路を選べばよいか迷っていませんか?
アニメーターのスキルを学ぶ方法には専門学校や大学、独学など複数の選択肢があり、基礎画力を磨いてポートフォリオを作成すれば未経験からでも目指せます。
本記事では、アニメーターになるための具体的なステップや必要なスキル、進路の選び方などを解説します。
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アニメーターとは?「画」に命を吹き込む仕事の魅力

アニメーターは、脚本や絵コンテをもとに静止画を連続させて動きを生み出す専門職です。
一連の作業は工程ごとで役割分担されており、原画制作を担当するアニメーターと、動画制作を担当するアニメーターに分かれています。なお、業界ではこれらを「原画マン」「動画マン」と呼ぶこともあります。
アニメーターの仕事内容|原画と動画の違い
アニメーターの仕事は「原画マン」と「動画マン」に分かれており、それぞれ役割が以下のように異なります。
| 項目 | 原画マン | 動画マン |
|---|---|---|
| 役割 | 動きの要点となる絵を描き、キャラクターの演技を作る | 原画と原画の間を埋める中割りを描き、滑らかな動きを完成させる |
| 求められるスキル | ・高い画力 ・演技力 ・パースの理解 ・画面構成力 | ・基礎画力 ・きれいな線を引く技術 ・トレース力 |
| キャリアパス | 動画マンとして経験を積んだ後に担当するケースが多い | 新人が最初に担当することが多いポジション |
| 作業内容の例 | キャラクターのアクションや日常芝居の決めポーズを描く | 30分アニメ1話で3,500〜4,000枚の中割りを複数人で制作する |
原画マンと動画マンは役割や求められるスキルが異なりますが、どちらもアニメ制作に欠かせない重要なポジションです。
アニメーターが活躍できる分野
アニメーターの活躍の場は、主に映像に関わる以下のような業界です。
- アニメ業界:テレビアニメ、配信用アニメなど
- 映画業界:実写映画のVFX、CG映像制作など
- ゲーム業界:ゲーム内アニメーション、オープニング・エンディング映像など
- Web業界:Web動画、広告映像、配信用コンテンツなど
一般的な就職先はアニメーション制作会社や動画制作会社です。近年では、動画配信会社の自社アニメやSNS用の広告映像など、アニメーターの需要が広がっています。
アニメやゲーム制作を手がける個人事務所に就職する方や、フリーランスとして複数のプロジェクトに携わる方も増えています。
アニメーターのやりがい
アニメーターのやりがいは、自分の描いた作品が多くの方に届けられることです。特に以下のような場面で喜びや達成感を感じられます。
- 自分が描いた原画や動画が実際に動く瞬間を見たとき
- エンドロールに自分の名前が掲載されたとき
- 作品が評価され、話題になったとき
静止画だった絵に色や音が加わり、キャラクターが生き生きと動き出すときは特別な喜びを感じます。チーム制作で貢献した結果が、エンドロールに名前として残ることは、誇らしい瞬間です。
視聴者から「この動きがすごかった」と反響があると、細部まで描き込んだ努力が報われるでしょう。自分の技術が作品の完成度に直結する点は、アニメーターならではのやりがいです。
アニメーターになるための3つのステップ

アニメーターになるには、スキル習得・資格取得・就職という3つのステップを踏むのが一般的です。それぞれの段階で何をすべきか見ていきましょう。
アニメ系の学校に通うor 現場で働きながら学ぶ
アニメーターを目指す方法は、大きく分けて「学校で学ぶ方法」と「現場で働きながら学ぶ方法」の2つがあります。
専門学校や大学で体系的に学ぶ方法は、デッサンやデジタル作画など実践的なカリキュラムで技術を習得できます。同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境も魅力です。
また、高校や大学卒業後にアニメーション制作会社に就職し、現場で実務を通じて学ぶ方法もあります。多くの会社では新人研修があり、動画マンからスタートして実務を通じてスキルを磨いていくケースが一般的です。自分の状況に合わせて最適なルートを選びましょう。
アニメーション資格を取得する
独学やスクールなどでアニメーターの仕事に役立つ資格を取得し、アニメーターを目指す方法もあります。
アニメーション制作やCG技術、色彩理論など、実務に直結する資格の勉強を通じて、専門スキルを効率よく身につけられます。デジタル作画ツールの操作技術や、彩色に関する知識を体系的に学べる点も魅力です。
資格は第三者から一定以上のスキルを認められた証明にもなるため、採用や仕事の獲得で評価されやすくなるでしょう。
映像制作会社に就職する
アニメーターを目指すうえで学歴は必須ではなく、高校卒業後に映像制作会社への就職も可能です。
ただし、アニメーターの仕事は専門的な基礎知識や一定の技術力が求められるため、知識と経験のない状態では雇ってもらえない場合もあります。そのため、デッサン力や人体構造の理解、デジタル作画ツールの操作スキルなど、現場で即戦力となる技術が必要です。
スキルと資格を習得し、ポートフォリオを作成してアニメーション制作会社に応募しましょう。
画力に自信のある方や、学生のうちからアニメーション制作の勉強を始めている方におすすめです。
アニメーターを目指すための最適ルートは?

アニメーターを目指す方法には、専門学校・大学・通信制・独学などの選択肢があります。それぞれの違いを理解し、自分に合った学習スタイルを選びましょう。
専門学校、大学、通信制、独学の違い
アニメーターを目指すための代表的なルートを、以下の表にまとめました。
| 項目 | 専門学校 | 大学 | 通信制※ | 独学 |
|---|---|---|---|---|
| 期間 | 2〜4年 | 4年 | 3ヵ月〜2年 | 個人差あり |
| 学費(総額) | 160〜600万円程度 | 530〜640万円程度 | 20〜300万円程度 | 1〜5万円程度 |
| 特徴 | ・作画技術やデジタルツール操作を実践的に学習 ・業界の現役プロによる指導や企業連携プロジェクトあり | ・デッサンや美術史など幅広い教養を習得 ・アート全般の基礎を固めながらアニメーション技術も学ぶ | ・オンライン講座や添削指導で基礎から学習 ・自分のペースで進められるが、対面指導は限定的 | ・書籍や無料動画などで自主学習 ・指導や業界との接点は少ない |
| 向いている人 | ・最短で業界デビューしたい方 ・手厚い就職サポートを受けたい方 | ・じっくり基礎力を養いたい方 ・表現の幅を広げたい方 | ・働きながら学びたい方 ・通学が難しい方 | ・費用を抑えたい方 ・強い意志と情報収集力がある方 |
※ここでの「通信制」は、アニメーションスクールなどが提供するオンライン講座を指します。
専門学校・大学・通信制・独学には、それぞれ特徴があります。自分の目指す方向性や生活に合う学習スタイルを選ぶことが、アニメーターを目指すうえで重要です。
学校を選ぶ際のポイント
学校選びでは、以下の4つのポイントを確認してください。
- カリキュラム
- 就職支援
- 業界とのつながり
- 設備
カリキュラムでは、作画の基礎に加え、デジタルツールの導入状況をチェックします。現役アニメーターによる作品添削や制作指導が受けられる学校であれば、実践的なスキルを習得しやすいでしょう。
就職支援では、ポートフォリオ制作指導や企業説明会の実績があるかがポイントです。業界とのつながりは卒業生の進路や連携実績で判断し、設備は機材やソフトの環境を見学時にチェックしましょう。
関連記事:アニメーター専門学校の学費はいくら?大学との比較や費用を抑える方法を解説
アニメーターになるのに必須なスキル・適性と有利な資格

ここでは、アニメーターとして活躍するために必要なスキルと、取得しておくと就職活動で有利になる資格を紹介します。
アニメーターに求められる5つのスキルと適性
アニメーターには、以下5つのスキルと適正が必要です。
- 基礎画力:デッサン力と空間認識能力
- 観察力:日常の動きをアニメーションに落とし込む目
- 忍耐力と集中力:膨大な枚数を描き上げる根気
- コミュニケーション能力:チーム制作を円滑にする力
- デジタル技術の習得:最新ツールを使いこなす適応力
アニメーターには、人体構造やパースを意識した基礎画力に加え、日常の動きを絵に落とし込む観察力が求められます。締め切りのある制作現場で働くため、忍耐力と集中力も欠かせません。
さらに、チームメンバーと連携するコミュニケーション力、CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopなどのデジタルスキルも必要です。
アニメーターになるのに有利な資格
アニメーターに必須の資格はありませんが、以下の資格を取得すれば技術力を客観的に証明でき、就職活動で有利になります。
| 資格 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| CG-ARTSアニメーション実技試験 | ・Maya、3ds MAX、Blenderを使い10秒程度のアニメーションを制作 ・6社のCGプロダクションから評価とフィードバックを受けられる | ・3DCGアニメーションの技術を磨きたい方 ・プロの評価を直接受けたい方 |
| CGクリエイター検定 | ・デザインや2次元CG、映像制作、3次元CG制作手法の知識を問う検定 ・ベーシックとエキスパートの2段階 | ・撮影や動画編集など幅広い映像知識を習得したい方 ・CG全般の基礎を固めたい方 |
| カラーコーディネーター検定 | ・色の性質や特性など、実務に役立つ色彩知識を学ぶ検定 ・スタンダードとアドバンスの2段階 | ・彩色作業で求められる色彩理論を体系的に身につけたい方 |
| 色彩検定 | ・色の基礎知識や配色方法を問う文部科学省後援の検定 ・1級〜3級とUC級の4段階で何級からでも受験可能 | ・初心者から段階的に色彩の知識を学びたい方 ・自分のレベルに合わせて受験したい方 |
これらの資格はポートフォリオとあわせて提示すれば、採用担当者にスキルレベルを明確に伝えられます。
参考:
CG-ARTSアニメーション実技試験|公共財団法人 画像情報教育振興協会
アニメーターに関するよくある質問

アニメーターを目指す方からよく寄せられる質問と回答をまとめました。
アニメーターの年収はどれくらい?
全国平均で約442.4万円です。ただし、原画マンと動画マンでは収入に差があります。動画マンは出来高制の場合が多く、新人の頃は年収260万円程度からスタートするケースも珍しくありません。
原画マンになると年収300〜500万円程度に上がり、作画監督やフリーランスとして実績を積めば、さらに高収入を得られる可能性があります。
参照:
アニメーション制作者実態調査2023|日本アニメーター・演出協会
関連記事:アニメーターの平均年収はどのくらい?年収を上げる方法も紹介
アニメーターは社会人からでもなれる?
社会人からでも、アニメーターを目指すことは可能です。働きながら学べる夜間コースや通信制の専門学校を活用すれば、仕事を続けながらスキルを習得できます。
独学でポートフォリオを作成し、未経験可の求人に応募する方法もあります。年齢よりもスキルと作品のクオリティが評価されるため、基礎画力をしっかり身につければ転職は可能です。
関連記事:社会人からアニメーターを目指したい方へ!専門学校がおすすめな理由を解説
アニメーターになるには何から始めるべき?
アニメーターを目指すなら、基礎的な画力の向上から始めましょう。採用では何よりもポートフォリオの内容が重視されるため、デッサン力、物や人体の構造を把握することも必要です。
クロッキーで速写の練習をしたり、さまざまなアングルやポーズを描いたりして、幅広く描けるスキルを磨いてください。デジタルツールにも慣れておくと、就職後スムーズに業務に入れます。
アニメーターに向いている人の特徴は?
以下の特徴を持つ人がアニメーターに向いています。
- トレンドに敏感な人
- 人や物の動きを観察するのが好きな人
- 修正や指示を前向きに受け止められる人
- 長時間集中して作業に取り組める人
アニメーターは、自分の個性だけで作品をつくる仕事ではなく、クライアントや脚本家の意図をくみ取りながら「多くの人に届く作品」を形にする仕事です。
業界のトレンドや流行を取り入れる力に加え、要望に柔軟に対応できる姿勢が欠かせません。また、同じ作業を根気よく続ける場面も多いため、忍耐力も重要な資質といえるでしょう。
まとめ
アニメーターへの道には、学校で学ぶ方法や現場・独学で技術を磨く方法など、複数の選択肢があります。基礎画力や観察力、忍耐力などのスキルを身につけ、ポートフォリオを作成して制作会社に応募するのが一般的な流れです。
資格取得は必須ではありませんが、CG-ARTSアニメーション実技試験やCGクリエイター検定などを取得すれば、技術力を客観的に証明できます。社会人からでも目指せる職業なので、自分に合った学習方法を選び、着実にスキルを磨いていきましょう。
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