アニメ業界の仕組みや職種について、詳しく知りたいと思っていませんか?
本記事では、アニメ制作に関わる主要職種の仕事内容から、業界で活躍するために求められるスキルなどを解説します。
この記事を読んで、アニメ業界での働き方や役割を理解しましょう。
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アニメ業界の主な職種
アニメ業界には監督、アニメーター、声優など多様な職種があります。主な職種を紹介します。
制作サイド

制作サイドは、企画づくりからスケジュール管理まで、作品完成に向けた進行を担当します。制作の中心を支える5つの職種を確認しましょう。
監督・演出
監督はアニメ作品の総責任者として、企画段階から完成まで全体の方向性を決定します。絵コンテの作成や各部門への指示出し、完成したカットのチェックなど、作品の完成度を左右する重要な判断をおこなう立場です。
演出は監督の意図を汲み取りながら、シーンごとの画面構成やキャラクターの演技を具体的に指示し、絵コンテ作成を通じて物語を映像として表現する役割を担います。
脚本家
脚本家はアニメのストーリーや脚本を作成する職種です。
監督の示す方向性をもとにセリフや展開を組み立て、原作がある場合は尺に合わせて再構成します。
プロデューサー
プロデューサーは、企画、予算、スケジュールの管理をおこなう職種です。アニメ制作では役割が企画と制作の2種類に分かれており、違いは以下のとおりです。
| 職種 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 企画プロデューサー | 作品の方向性を決定 | ・資金調達 ・スポンサー獲得 |
| 制作プロデューサー | 現場の進行管理 | ・スタッフの担当を振り分け ・制作工程の管理 |
両者が協力し合い、限られた予算とスケジュールのなかで作品を仕上げるための調整を進めます。
制作進行
制作進行は、制作全体のスケジュール管理を担う職種です。
アニメーターや背景スタッフへの発注、素材の受け渡し、進捗確認など、各部門を調整しながら納期までに作品を完成させます。
美術監督(背景美術)
美術監督は作品の世界観を視覚的に表現するため、背景デザインの方向性を決定します。
舞台となる場所の資料を集め、色彩やタッチを統一した美術ボードを作成し、背景美術スタッフへ指示を出します。
クリエイティブ系

クリエイティブ系は、アニメの映像をつくりあげる役割を担う職種です。ここでは代表的な3つの職種を紹介します。
アニメーター
アニメーターはキャラクターや背景の動きを1枚1枚の絵で表現する職種で、原画マンと動画マンの2つの役割があります。両者の違いは以下のとおりです。
| 職種 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 動画マン | 動きの流れを補うための絵を描く | 原画と原画の間の絵を描き、動きを滑らかにつなげる |
| 原画マン | 重要カットを描く | シーンの要となるポーズや表情を描き、動きの設計図となる原画を作成 |
30分アニメでは原画が約300枚、動画が3,500〜4,000枚必要とされ、多くのアニメーターが分担して制作を進めます。
CGクリエイター・CGデザイナー
3DCGソフトを用いてアニメのキャラクターや背景を制作する職種です。CGクリエイターは映像として動かす作業を、CGデザイナーは3Dモデルやビジュアルのデザインを担当し、協力して作品の視覚表現を作り上げます。
キャラクターデザイナー
キャラクターデザイナーは作品の世界観に合わせて、以下のようなキャラクターのビジュアルを考案します。
- 登場人物
- 動物
- モンスター
- ロボット
原作がある場合は既存のイメージを尊重しながら、アニメ映像に適した形へとアレンジする技術も必要です。
その他

アニメ制作には映像や制作進行以外にも多くの専門職があり、ここでは音声と色彩に関わる3つの職種を紹介します。
声優
声優は、アニメのキャラクターに声を吹き込み、演技で個性や感情を表現する役割です。台本を読み込んでキャラクターの性格や感情を理解し、音響監督の指示を受けながら声の演技をおこないます。
近年では声優本人がイベントやコンサートに出演する機会も増え、アニメファンにとって身近な存在です。
色彩設定師
色彩設定師は作品全体の色彩設計をおこない、キャラクターや背景などに使用する色を決定します。
原作がある場合は、イメージを損なわないよう色味を検証しながら再現する技術が必要です。色指定担当者への指示出しや最終的な色の仕上がりを確認し、作品の色に関する責任者として視覚表現を支えます。
音響監督
音響監督はアニメの音響全般を監修する職種です。
監督やプロデューサーと打ち合わせを重ねてシーンごとの音響演出を設計し、BGMや効果音を選定します。アフレコ現場では声優に具体的な演技の方針を伝えます。
アニメ業界の最新動向とグローバル化

アニメ業界は配信市場の拡大と海外展開の加速により、構造が変化しています。最新の業界動向を3つの視点から確認しましょう。
TVアニメ本数の減少と配信市場(VOD)の拡大
2023年のTVアニメタイトル数は300本で、ピークだった2016年の361本から61本減少し、過去10年で最少を記録しました。
背景には、視聴環境がテレビからNetflixやYouTubeなどの配信プラットフォームへ移行し、テレビ放映の重要性が相対的に低下していることがあります。
一方、動画配信サービスなどにおけるアニメ市場は、2023年に前年比51.4%増の2,501億円を記録し、初めて2,000億円を突破しています。
参照:「アニメ制作市場」動向調査2025|株式会社 帝国データバンク
海外企業との取引加速と発注先の変化
海外における日本アニメ人気の高まりを受け、動画配信会社や制作企業との取引をおこなう日本の制作会社が増えています。
2025年7月時点で海外企業と取引のあるアニメ制作会社は45.2%に達し、2023年から4.4%上昇しました。
取引先では米国のNetflixやAmazonなどの配信企業が最多で、制作外注先としては従来の中国に加えて韓国や台湾など、アジア各国へ広げる動きが強まっています。
参照:「アニメ制作市場」動向調査2025|株式会社 帝国データバンク
収益源の多様化とIP/版権事業の重要性
従来はテレビ向け制作依頼が主な収益源でしたが、現在は以下のように多様化しています。
- 配信サービス向けの制作収入
- 劇場版(映画)の興行収入
- キャラクターグッズや関連商品の版権収入
人気シリーズのライセンス事業が好調な制作会社では、配給収入や関連商品の売上が安定的な収益源です。
IP保有による長期的な収益化が可能となり、制作会社の経営基盤強化につながっています。
アニメ業界で活躍するために求められる資質

アニメ業界で長く活躍するには、基礎的な資質と実務で活きる専門スキルの両方が必要です。業界で活躍するために必要なスキルを見ていきましょう。
情熱、体力、活かせる専門スキル
アニメ制作に対する強い情熱は、困難な状況に直面しても心が折れない支えとなります。納期前の厳しい労働環境に耐える体力も必須で、長時間の作業が続く現場では体調管理が欠かせません。
クリエイティブ職を目指す場合、専門学校などで習得した作画技術やデジタルツールの操作スキルは即戦力として評価されます。
制作を支える4つの必須スキル
アニメ制作の現場では、以下のようなスキルが求められます。
| スキル | 内容 |
|---|---|
| コミュニケーション能力 | 監督・アニメーター・クライアントなど、多様な関係者と円滑に連携する |
| スケジュール管理能力 | 納期を守りつつ、トラブルも想定した計画を立てる |
| 柔軟性 | 予期せぬ問題が発生した際に臨機応変に対応し、別の選択肢を実行できる |
| 観察力 | キャラクターの自然な動きや表情を再現するために、対象を正確にとらえる |
これらのスキルを備えておけば、現場での信頼が高まり、活躍の場も広がります。
アニメ業界への向き合い方
アニメ業界を目指す際は、作品を観て楽しむファンの立場ではなく、アニメを制作する側の視点が必要です。
入社後の数年間はアシスタント業務が中心で、すぐに希望する仕事を任されるわけではありません。業界のよい面だけでなく、厳しい労働環境や低賃金などの課題も理解したうえで、働き続けられるかを判断しましょう。
まとめ
アニメ業界には制作サイドからクリエイティブ系まで幅広い職種があり、それぞれに専門的なスキルが求められます。
近年は配信市場の拡大やIP事業の重要性が高まり、収益構造も変化しています。業界で活躍するには情熱と体力、専門スキルに加えて、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力などの実務スキルが欠かせません。
業界の厳しい側面も踏まえたうえで、アニメの世界に挑戦しましょう。
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