CGクリエイターになるには、デッサン力や色彩感覚といった基礎的な造形力などさまざまなスキルが必要です。
また、CGクリエイターは単独で作業するだけでなく、多くの人々と連携しながら仕事を進めていきます。さらに最近では、グローバル化が進むなかで英語によるコミュニケーションも求められるようになってきています。
これからCGクリエイターになる方のために、本記事では仕事内容や向いている人の特徴を紹介しているのでぜひ参考にしてください。
CGクリエイターとは?
CGクリエイターは、CG専用ソフトを用いてコンピューターグラフィックスを制作する専門職です。
CGは映画、アニメ、ゲーム、医療、建築など、幅広い分野で活用されており、CGクリエイターの需要が高まっています。CGクリエイターには、モデラー、アニメーター、テクスチャ、エフェクター、コンポジターなど、多岐にわたる役割があり、チームで協力して1つの作品を制作します。
CGクリエイターの仕事内容
CGクリエイターはコンピューターソフトウェアを使って、3D空間でモデリング、マテリアル設定、アニメーション、シーン構築、レンダリング、コンポジットといった一連の工程を経て、最終的な映像作品を完成させます。
各工程には高度な技術と創造性が求められ、チームで協力して作業を進めることが重要です。
CGクリエイターが活躍できる分野
CGクリエイターが活躍できる分野は主に以下の4つ挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 科学
- ゲーム
- 映画/アニメ
- 広告
ゲーム
CGクリエイターにとってゲームは最も重要な活動の場のひとつといえます。ゲームにおいては、キャラクターの3Dモデリングやアニメーション、背景やアイテムのデザイン、リアルタイムのグラフィックス処理など、CGクリエイターの幅広い技術が必要不可欠です。
近年のゲームは、写実的な表現や没入感の向上など、グラフィックスの高度化が著しく、CGクリエイターの役割はますます重要になっています。
映画/アニメ
映画やアニメーションでは、キャラクターのモデリングやリギング、リアルなテクスチャリング、迫力のあるエフェクト演出など、CGクリエイターの幅広い技術が必要とされます。
CGクリエイターは、監督やプロデューサーとのコミュニケーションを密に取りながら、作品の世界観を具現化していく重要な存在でもあります。
広告
CGクリエイターは、製品やサービスの魅力的な視覚表現を生み出すことで、広告の訴求力を大きく高められます。例えば、リアルなプロダクトCGや、インパクトのあるキャラクターアニメーションの制作など、CGクリエイターの高度な技術と創造性が活かされます。
科学
CGクリエイターは、複雑な科学現象や実験データを視覚的に表現することで、研究者や一般の人々の理解を深められます。例えば、医療分野ではCGを使って人体の内部構造を詳細に再現したり、手術シミュレーションをおこなったりすることで、医療の質の向上に貢献しています。
CGを活用したデータの可視化は、科学研究の成果を一般の人々にわかりやすく伝えるツールとしても大きな役割を果たしてくれるでしょう。
CGクリエイターのやりがい
CGクリエイターのやりがいは自分の創造性を発揮して、多くの人々に楽しんでもらえるコンテンツを作り出せることです。
CGはゲーム、アニメ、映画、広告、VR/AR、科学分野など、さまざまな分野で活用されており、CGクリエイターはこれらのエンターテインメントや製品開発に貢献できます。
また、成果が目に見えてわかるため、自分の成長につながるのもメリットといえるでしょう。のを見かけたりする機会もあるため、人や社会の役に立っているという実感を得やすいといえるでしょう。
CGクリエイターの将来性
これまではエンターテイメント業界や広告業界が主流でしたが、CGの技術は日々進化しており、新しい活用方法も広がっているため、製造業、建築業、自動車業界などでも需要が見込めます。
そのため、CGクリエイターの需要は今後も増加すると考えられます。
また、デザインセンスや広い視野、集中力、構成力、ツールの使用技術など、高度なスキルが求められますが、高年収を目指せる魅力的な職業です。CGクリエイターとしての経験を積み、スキルアップを続けることで活躍の場が広がります。
CGクリエイターになるためには
CGクリエイターになるには特に資格が必要というわけではありませんが、きちんと知識を身につけることが大切です。下記ではCGクリエイターになるための方法を3つご紹介します。
- CGについて学べる学校へ通う
- 専門的なスキルを習得する
- 就職or独立してCGクリエイターとして活動する
CGについて学べる学校へ通う
専門的なスキルを習得することで、CGクリエイターとして独立するのも夢ではありません。専門的なスキルとしては主に以下のような項目が挙げられます。
- グラフィックデザインのスキル
- 3DCG制作のスキル
- ペイントソフトやCGソフトでの描画スキル
- アニメーション制作のノウハウ
HALでは上記で紹介したスキルをすべて学べるカリキュラムを用意しています。CG学科では短期間で3DCGを含むデジタル技基礎から、グラフィッ
アニメーションやアニメーションなどの即戦力となるクリエイティブスキルを習得できます。
専門的なスキルを習得する
システムエンジニア(SE)に必要なスキルは、資格取得を通して獲得することも可能です。
例えば、経済産業省が認定する国家資格「情報処理技術者試験」は、IT資格のなかでもっとも取得率が高く、就職活動の際にシステムエンジニア(SE)のスキルがあることを証明するのにも役立つ資格です。
就職or独立してCGクリエイターとして活動する
CGクリエイターとしていきなり就職や独立する方法もあります。ただし、スキルがなければ就職しても違う部署から始める可能性が高いです。
また、独立してフリーランスとして活動することも可能ですが、いずれの道を選択するにしても、CGの専門スキルと創造性、コミュニケーション力が重要となります。
CGクリエイターを目指せる学校の種類
CGクリエイターを目指せる学校は主に3パターンあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 専門学校
- 大学
- 通信制の学校
それぞれの特徴を知って、自分に合った進学先を選びましょう。
専門学校
専門学校は、CGデザイン、アニメーション、ゲームクリエイターなどの分野に特化した教育をおこなっています。Mayaによる3DCGやCGソフトウェアの使用スキルを中心に、キャラクターモデリング、アニメーション、VFXなどの実践的な技術を学べます。就職支援も手厚く、CGクリエイターとしての就職に強いのが特徴です。
HALでは世界に通用するCGクリエイターの育成を目指しています。現役のプロによる直接指導をおこなっています。制作実習環境も整っているのがポイントです。
大学
大学では、芸術学部やデザイン学部などでCGクリエイターを目指せます。CGデザインやアニメーション制作、ゲームクリエイションなどの専門コースを設置している大学も多数あります。理論と実践のバランスが取れた教育が特徴で、幅広い知識と創造性を身につけられます。
通信制の大学
通信制の学校では、自宅でCGクリエイターに必要なスキルを学べます。 Web やアプリ、ゲームなどのCG制作に特化したカリキュラムが用意されており、仕事と学習を両立できるのが魅力です。スクーリングも設けられているため、対面での指導も受けられます。
CGクリエイターに向いている人
CGクリエイターに向いている人の特徴を3つ紹介します。
- デッサン力がある人
- 発想力がある人
- コミュニケーション力がある人
デッサン力がある人
CGクリエイターには、物体や人物の形状を正確に捉えるデッサン力が重要です。
特に2D/3Dモデリングやキャラクターデザインなどの制作工程では、デッサン力が活かされます。絵画やイラストの経験があると、CGクリエイターとしての制作スキルが身につきやすいでしょう。
発想力がある人
CGクリエイターには、新しいアイデアを生み出す発想力が必要です。ゲームやアニメーション、映像などのCGコンテンツは、クリエイティビティが重要な要素となります。そのため、既存のものにとらわれず、自由な発想力を持つことが求められます。
コミュニケーション力がある人
CGクリエイターは、クライアントやチームメンバーとコミュニケーションを取りながら制作を進めることが重要です。
相手の意図を正確に理解し、自分の考えを伝えられるコミュニケーション力が求められます。円滑な情報共有と協力体制を築くことで、よりよい作品を生み出せるでしょう。
CGクリエイターに関する資格
CGクリエイターとして取得しておきたい資格を6つ紹介します。
- CGクリエイター検定
- CGエンジニア検定
- カラーコーディネーター検定
- Web デザイナー検定
- DTP検定
- マルチメディア検定
CGクリエイター検定
CGクリエイター検定は、映画、アニメーション、ゲーム、CMなどのCG映像制作において必要とされる幅広い知識と技術を評価する検定試験です。
デザインや2D CGの基礎から、構図やカメラワークなどの映像制作の基本、3D CGの制作手法やワークフローまで、表現に必要な知識を総合的に測ります。
CGエンジニア検定
CGエンジニア検定は、CG分野の設計や開発をおこなうエンジニアやプログラマーのスキルと知識を評価する検定試験です。エキスパートとベーシックの2つのグレードがあり、受験資格は設けられていません。
カラーコーディネーター検定
カラーコーディネーター検定は、色彩の知識と活用能力を評価する検定試験です。CGクリエイターは、2D/3Dのデジタルイメージを制作する仕事なので、色彩の知識がなければ、魅力的な作品を生み出すことは難しいでしょう。
Web デザイナー検定
Web デザイナー検定は、CG-ARTS協会が主催する民間資格で、Web制作のプロとして標準的な知識を習得できる資格です。デザインに関する知識やWeb制作の企画、制作、テスト、評価、運用に至るまでの一連の工程に関する知識が求められます。
また、コンセプトメイキングやユーザビリティ、アクセシビリティなど、Webサイトの質的向上に必要な知識も評価されます。
DTP検定
DTP検定は、デスクトップパブリッシングの実務に必要な幅広い知識と技術を評価する資格試験です。企画・編集職や広報職向けのディレクション試験を主に実施しており、出版・広告・印刷業界をはじめ、あらゆるビジネスシーンで活躍する専門家にとって有益な資格となっています。
ソフトウェアの操作技術やコンテンツの理解力、デザイン能力、編集・レイアウト能力など、DTP実務に不可欠な能力を客観的に測定します。
マルチメディア検定
マルチメディア検定は、コンピューターやインターネットを活用したデジタル情報のコミュニケーションに必要な知識と技術を評価する資格試験です。CG-ARTS協会が主催しており、ベーシックとエキスパートの2つのレベルがあります。
CGクリエイターに関するよくある質問
もう少しCGクリエイターに関して深掘りしたい方のために、よくある質問をまとめました。
CGクリエイターとCGデザイナーとの違いは?
両者ともCGを使って仕事をしますが、CGクリエイターは映像を具体化することに重点を置き、CGデザイナーは視覚的に捉えられるものをデザインすることに重点を置いています。
両者に大きな違いはありませんが、CGクリエイターはより技術的な側面に長けており、CGデザイナーはデザイン性や美的感覚に長けているといえます。
CGクリエイターの年収はどのくらい?
厚生労働省の「jobtag」によると、CGクリエイター(CG制作)の平均年収は509.3万円でした。
このことからCGクリエイターの平均年収は高い水準だといえます。一般的に、クリエイティブな職業の年収は幅広い傾向にありますが、CGクリエイターはそのなかでも高い部類に入ります。これはCGクリエイターには高度な技術と創造性が求められるためです。
絵が下手でもCGクリエイターになれる?
絵が下手でもCGクリエイターになることは可能です。CGクリエイターの仕事は、主にコンピューターソフトウェアを使ってデジタルイメージを制作することが中心で、必ずしも絵画的な技術が求められるわけではありません。
むしろ、3DCGモデリングや合成などのテクニカルな能力が重要視されます。実際に、絵が下手でも優れたCGスキルを持つクリエイターが多数活躍しています。
CGクリエイターは社会人からでもなれる?
CGクリエイターは社会人からでもなれます。3DCGは独学でも可能ですが、早く知識を身につけたいなら専門学校がおすすめです。
HALでは社会人を対象とした入学制度を設けており、すでに職業経験を持つ方でも、CGやアニメーション、ゲームデザインなどの分野で学び直せます。
HALは、学生作品が各種コンテストで高い評価を得るなど、社会人からの入学者も活躍の場を広げられます。
まとめ
CGクリエイターを目指すには、デッサン力や色彩感覚といった基礎的な造形力に加え、3DCGソフトウェアの操作スキルが不可欠です。
さらに、コミュニケーション能力も重要で、クライアントのニーズを的確に捉え、チームメンバーと協調しながら作品を完成させる力が求められます。
近年では、英語によるグローバルなコミュニケーションも求められるようになっています。これらの幅広いスキルを習得するには、専門学校などで集中的に学ぶのがおすすめです。
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