お知らせ
2025.6.24
日産が描くUXUIの未来、第一人者による特別講義を開催
各業界のスペシャリストを講師として迎える特別授業「スペシャルゼミ」を毎年実施しています。これは、教科書だけでは学べない実践的なノウハウを直接学ぶことができる貴重なカリキュラムです。
今回は、日産自動車株式会社 グローバルデザイン本部 UXUIデザイン部 部長・小針淳志氏をお迎えし、カーデザイン学科の学生を対象に特別講義を開催しました。 日産自動車は1933年に設立され、日本を含む世界15の国と地域に生産拠点を持ち、170以上の国と地域で製品とサービスを展開しているグローバル企業です。「スカイライン」「GT-R」「フェアレディZ」といった名車のほか、海外では高級車ブランド「インフィニティ」も展開しています。 小針氏は、日産のデザイン部門の中でも、ドライバーや乗員の体験価値を追求する「UXUI」分野の第一人者。これまでに、インフィニティや日産デザインヨーロッパでデザインマネージャーを歴任し、現在は同社UXUIデザイン部の責任者を務められています。
講義のテーマは「車は愛だ――日産デザインがつくる未来」。
日産はこれまで、ラブストーリーのように人々の日常を彩り、ものがたりを紡いできました。 テクノロジーの進化によってクルマのあり方が大きく変わる今、UX(ユーザー体験)を中心に据えた日産のデザイン戦略と、その最前線についてご講演いただきました。
SDV(Software Defined Vehicle)がもたらす未来
現代のクルマはスマートフォンやインターネットとつながることで、単なる移動手段を超えた価値が求められています。なかでも注目されているのが「SDV」です。これは、クルマがソフトウェアによってアップデートや機能追加が可能となり、知能化・電動化・自動化が進むことを意味します。 日産アリア【NISSAN ARIYA】は、その象徴的なモデル。ハードウェアだけでなく、ソフトウェアによって継続的に進化するクルマとして、UXデザインの重要性が高まっています。小針氏は、こうした時代の変化に伴い、UXUIデザイナーの役割も大きく広がっていると語りました。
HAL卒業生・山内健司さんも登壇、各職種について語る
後半には、HAL卒業生で現在日産にて活躍する 山内健司さん(2018年卒業) が登壇。グローバルデザイン本部 第一プロダクトデザイン部に所属し、海外向け高級車「インフィニティ」の先行開発(4~6年後の市場投入を見据えたプロジェクト)に携わっています。 講義では、日産での仕事内容や職種の連携について説明いただいたほか、学生時代の取り組みや学びがどのように現在の仕事につながっているかについても語っていただきました。また、会社紹介に加え、インターンシップ情報の提供もあり、学生たちはリアルなキャリア像に触れる貴重な機会となりました。
質疑応答で深まった学び
講義の最後には、質疑応答の時間が設けられ、学生たちからは「学生時代に何を考えて制作に取り組んでいたか」「コンセプトやアイデアはどのように生まれるのか」など、多くの質問が寄せられました。 プロの視点からの実践的なアドバイスに、学生たちは大きな刺激を受けていました。 今回のスペシャルゼミは、変化し続けるモビリティ業界の“今”と“未来”を体感する、またとない学びの場となりました。日産の最前線で活躍するプロフェッショナルの言葉から、学生たちは自身の将来像を具体的に描くきっかけを得たに違いありません