学生の活躍
2025.12.23
石川県主催「いしかわアニメアワード」 全国応募作品の中からHALの学生アニメ「魔鏡少女ユキ」が最優秀賞!
石川県が主催するアニメーションコンテスト「いしかわアニメアワード」において、ショートアニメーション部門77作品の中から、最優秀賞に専門学校HALの学生チームが制作した「魔鏡少女ユキ」が選出され、賞金30万円を獲得しました。
本アワードは、アニメーション文化の発信と若手クリエイターの育成を目的として、石川県が実施している取り組みです。審査委員長は株式会社ブシロード 代表取締役社長の木谷高明氏が務め、アニメ関連企業やアニメスタジオの代表者など、コンテンツ産業の第一線で活躍する審査員が作品を審査しました。
最優秀賞を受賞した『魔鏡少女ユキ』は、「学校の怪談×魔法少女」をコンセプトに、80〜90年代アニメの魅力をデジタルで再構築した意欲作です。
審査員講評
審査では、アニメ・エンターテインメント業界の第一線で活躍する審査員から、高い評価が寄せられました。
「DMM TV」の総合プロデューサー 村中悠介氏からは、
「作品世界の構築意図が明確で、制作者のやりたいことがしっかりと伝わってきました。テレビアニメとしての完成度が高く、主人公と周りのキャラクターの関係が物語の感情的な軸として機能していました。心情描写の間やカット割りも印象的で、光やカメラワークの工夫が際立ってました。クラシカルな表現と新たな挑戦が見事に調和した作品だと思います。」とアニメーションの完成度を高く評価されました。
さらに、世界初の着メロのダウンロードサービスを手掛け、新たな巨大音楽市場を創造した宮田人司氏からも、
「『80年代テレビで放送されていた懐かしのアニメ』と言われても疑うことなく、まるで当時のテレビの空気をそのまま瓶詰めしたような作品だと思いました。」
「全体として、ただの80年代パロディじゃなくて、“あの時代の未来への憧れ”を今の視点で再構築した作品になっていて、観終わった後にじんわり残る余韻が心地いい作品でした。」と評価されました。
※コメントは「いしかわアニメアワード」 公式サイトより引用
「魔鏡少女ユキ」について 制作者コメント
■注力したポイント
『魔鏡少女ユキ』では、80〜90年代アニメの魅力を、キャラクターデザインから作画、撮影、音響に至るまで、細部までこだわってデジタルで再現しています。特に注力したのは、当時のアナログらしい質感を損なわず現代の技術で表現することです。撮影工程では90年代の質感に近い独自フィルターを制作し、当時の作品と並べても違和感のない映像に仕上げられるよう努力しました。
また、近年再び注目されているアナログ調や90年代レトロのトレンドを取り入れ、懐かしさと新しさが共存する世界観を目指しました。
■制作過程について
80〜90年代のセルアニメが好きなメンバーが多く、当時の雰囲気にどれだけ近づけられるかを皆で試行錯誤しながら進められたことが、とても楽しい経験となりました。
一方で、大きな課題になったのはスケジュール管理です。限られた期間の中でクオリティを維持しつつ進めるためには、メンバー同士でどうフォローし合うかが重要なので、その調整には苦労しました。それでもブラッシュアップを重ね、最後までより良い作品を追い続けたことで、多くの学びを得られた制作になりました。
■HALで学んで活かせたこと
今回の制作では、これまでHALで学んできた幅広い内容が大きく力になりました。授業で身につけた作画や撮影の基礎技術はもちろん、作品づくり全体の流れを理解するプロジェクト進行の授業、そしてグループ制作に必要なコミュニケーションや役割分担の方法など、日々の学びが活かされました。
HALでは、技術習得だけでなくチームでの制作経験も重視されているため、1年生から積み重ねてきた共同作業の経験が、グループで一つの作品を完成させる力につながりました。
■審査員(敬称略・順不同)
株式会社ブシロード 代表取締役社長:木谷 高明
合同会社DMM.com PFカンパニーCEO:村中 悠介
TONKO HOUSE 取締役 HAUS 代表:宮田 人司
株式会社サンジゲン 代表取締役:松浦 裕暁
ライデンフィルム 代表取締役/バーナムスタジオ 取締役:里見 哲朗
株式会社キネマシトラス 代表取締役社長:小笠原 宗紀